食と美意識
気付いたら摂食障害を患っていた。
生きることに滑稽なくらい必死で身体と心の異常とSOSに長い間気がつかなかった。
人生の修羅場がきっかけで拒食を5年、その後、ある日、心と身体の栄養不足が決壊して、いくら何を食べてもお腹がいっぱいにならず制御不可能な食欲に怯える日々が約一年続いた。
そして今、毎日お腹が空いて毎日お腹がいっぱいになる、当たり前なのかもしれないけど穏やかな食べることが毎日楽しいと思える毎日を取り戻したように思える。
好きな物を体の声に素直に従って楽しみながら食べる。
いろんな食やダイエットの情報や、歪んだ美意識が人間として本来もっていた食に対する楽しみを歪んだものに変えた。ヨーグルトや未精製の炭水化物ばかりを食べていた頃の私は今よりグンとスリムだったけれども身体も心も栄養不足でよく気絶したり、星が見えたり、耳が聞こえなくなったりしてた。栄養不足で不眠で寝るための薬をたくさん飲んで、翌朝苦しいままの心と体を引きづって次の日をなんとかやり過ごしていた。
今、発病前に履いていた黒のタイトスカートを履いている。パンパンに盛り上がった尻のラインがムンとした女の匂いを放っている。ボディラインが出る服を着るのであればみっともなくならない様にスッと姿勢を正す。
8センチのヒールの靴と合わせてね。