波乱万丈DNAと遺伝
今日は大好きな肉親と2人でお茶をしてきた。
随分な高齢となる彼女は、いつものように穏やかで素敵だった。
私もどちらかといえば、波乱万丈型の星の元に生まれてきているが、彼女の人生はもっと波乱万丈だと思う。すごくすごく悔しい思いと大変な苦労をして、それでも自分の人生から逃げないで、今は孫にも恵まれ、穏やかに暮らしている。
彼女のすごいところは、彼女自身から苦労話が一言もでないこと。彼女がどんな人生を歩んできたのかは彼女の肉親から、事あるごとに聞かされる。客観的にみて相当の覚悟が必要であったであろう若い頃の進路の決め方や、猛勉強が必要であったであろう資格、飛び込んだ職業の中で、地位を獲るまでに続けた努力や根性は、想像にも及ばない。
けれど彼女は自分の大変だった時の話を一言もしない。そして周囲の人にとても優しい。苦しかったことや辛かったことを自分が辛くなるからその話題だけ封印して、でも、やり場のない感情の処理の為に人様にヤイバを突きつけてカタルシスを得る方を見かけることもあるが、彼女は決してそれをしない。
ひょっとすると彼女がうんと若い時は、誰かにどうしようもない感情のはけ口を向けたのかもしれないが、もう昔のことすぎてその面影はない。
優しい笑みを常に湛えているが、彼女はどこか凛としていつも美しい。私が人の道を逸れた様なことをしたら、この人は本気で叱ってくれるのだろうな。会話の随所に優しいと、強さと厳しさと、兼ね備えていて、格好いい。あぁ、彼女の血が自分の中に流れているのは嬉しいな。
自分に厳しく人には愛情深く接することのできる人になりたい。
おばちゃん、大好きです。