ご縁があって伊豆の村で農家体験をさせていただいてきた。

風の音、風に混じる土や木の匂い。鼻の奥に突き刺さる冬の空気。村で見る農家の光景は幼い頃に見た原風景の印象と重なって、とてつもない郷愁に何度も陥った。

気付いたらとても自然に田んぼの水路の淵を平均台のようにして歩いていた。

東京の毎日は悪い夢で私はまだ女の子何じゃないかと錯覚してしまった。

ほぼストレスフルフルな状態だったが2年間、人と交わらない状態で奇跡的に報酬を得ることができた毎日だったが、公私ともにほぼ人と話さなかったし、話せなかったし、笑ってなかった。気付いたら笑う顔はどんな風に筋肉を動かせばいいか忘れていた。

伊豆では気付いたらたくさん笑っていて、たくさん人と話して、お腹が空いたのでよく食べた。小学生の頃の自分の人格が伊豆では主導権を握っていた。

東京で今の生活を続けていくのは限界かもしれないなと改めて悟り会社を辞めたのは良い選択だったなと思った。

これから何をするか決めていないけど、休みをとって、たまには村に休暇を楽しむ人生を選びたいと思った。心が潤ったよい旅だった。